どうすればいい?どうしたらいい?





















静かな場所に、静かにあるソレ。
生前の人物を表すような雰囲気さえ感じさせる。何時やってきても花が絶えずイザークの持って来た花は置く場所が無い。
しかたなく横に花を置きイザークは座った。
たまにこうして訪れるこの場所はいつも気持ちのいい風が吹いている。




「隊長になった。」


隊長になった。アスランもディアッカもいなくなった。だから。とは思わない。
素直に自分の実力が認められたのだと考えている。卑屈になるのは嫌いだった。自分を過大評価することも過小評価することも嫌いだ。
尊敬している隊長からは激励の言葉をもらい、母からは短く、それでも彼女らしい言葉をもらった。


それだけ。




一番反応が見たかった彼はいない。部下にしてやる。そう言い、彼も頷いた。
少なくともイザークはアレを了承の言葉だと思っていた。
どこまでも自分の傍にいてくれると思って、思い込んでいた彼もいない。
誰よりも先に自分を褒めて、認めてくれたのは何時だって彼だった。それなのに。


見渡す部下たちの中に赤はいる、けれどソレは彼らではない。




「どうしておまえまで」


彼なら解ってくれただろうか。また笑ってくれただろうか。
それともやっぱり彼も自分を置いていってしまうのだろうか。






もう既に置いていかれているのに、そんなことを考えてイザークはそこに座っていた。


今日に限って風が冷たい。












END


6:31
種最終回直前のイザーク。ニコルの墓の前で。
【07:思考の迷宮】


2004.10.11-Copyright (C)Baby Crash