二つのグループに分かれて行うアカデミーの模擬演習。組み分けの結果に眩暈がした。


「な、何でオレとレイが離れてんの!!?」
「成績上位者が一つのグループに偏ってるわけにも行かないんでしょ」


冷めたルナマリの声に噛み付く。横暴だ!成績順に座らされる座席の為に好成績(つまりはレイの一つ後ろ)をキープしていたことが仇になるなんて思いもしなかった。今から成績不振になれば教官は考え直すだろうか、都合のいい事に演習の前に一つテストがある。コレで上手くやればあるいは。そんなろくでもないことを真剣に考えていたらいつの間にか隣に来ていたレイから声がかかる。


「レイ、見てよ、これ!オレとレイ違うグループだぜ?酷くない?」


レイは俺と組が分かれてしまったことをどう思っているのだろう。レイの事だからあからさまには表に出さないだろうが内心手放しに喜ばれたらかなり傷つく。恐る恐る祈るような気持ちだったのを隠して軽い調子で尋ねれば、レイは常の無表情を少し緩めてオレに視線を向けた。


「残念だが楽しみだな。一度お前とやり合ってみたいと思っていたんだ」
「え」


意外なレイの言葉に気分が昂揚するのを感じた。それは俺の実力を認めてくれているということだろうか。


「お互い頑張ろうな」


レイが少し微笑んで差し出した手を両手で掴んで頷く。


「もちろん!オレ、頑張るから見ててね!」


そうだよ良く考えればコレも一つのチャンスじゃん!頑張って格好いい所見せよう! さっきとは打って変わってやる気満々な俺をルナマリアが呆れたような顔で見てたのには知らない振り。(だって恋してんだって!)







END




【09:例え運命に引き裂かれようと】


2005.07.05-Copyright (C)Baby Crash