09大きな瞳のその奥で


ルルーシュの瞳は紫でスザクは深い翠だ。ルルーシュは幼いころからその瞳を見ているのがお気に入りでよく彼を困らせた。「じっと見つめられたら恥ずかしいよ、」そういうときのスザクの瞳が少し揺れるのをルルーシュは知っている。昔はその微妙な色を読み取ることで彼の心の動きすら感じることができたのだけれど今はどうだろう。彼の瞳を見て、彼の感じる感情を、想像することができるのだろうか。異能の力を得た瞳は代わりに何か大事なものを知る力を失った気がする。
左目に手を当て、紅く色を変えた自分の虹彩に彼の好きな色を思い出してすこしだけ悲しくなった。